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北朝鮮の化学戦に対する関心は、1946年平壌工科大学と中央安保学校に関連学科を設置し、早くから表面化した。1960年始めまでは、化学兵器の自主生産能力がなく、ソ連の支援により少数の化学部隊のみを維持してきた。
北朝鮮の化学兵器開発は、第1次7ヶ年計画期間(1961〜1967)中に本格化し、1960年代後半には、マスタード(H、HD、HO)とタブン(GA)、TKFLS(GB)等の一部攻撃用化学物質の自主生産が可能となった、以後、70年代と80年代を経て、北朝鮮の化学兵器製造能力は、急伸長した。
1989年5月、北朝鮮労働党は、国家の主要基幹産業により化学産業を育成することを意見し、社会主義体制の優越性を見せつけるための最大課業として化学産業分野の核心を公表することまでした。1980年代末にはまた、スカッドB、SS-21等のミサイルの化学弾頭生産体制を構築し、イラン、シリア等の第3世界国家に対する化学兵器輸出にも力を注いでいることが分かった。
1990年に入り、東欧共産国家が急激に没落して、ソ連邦体制が崩壊し、北朝鮮の化学兵器産業・膨張産業は、大きな打撃を受けた。同盟国家との相互援助条約も全面破棄されるか、新しい条約に代替された。このような状況下でも、北朝鮮は、化学戦遂行能力だけは、持続的に強化してきた。
現在は、阿吾地、清津、新興、ハムポ、アンボポ、新義州、安州、順川等、8ヶ所の化学兵器生産施設を持っており、ここで生産された化学兵器は、サンウムリ、ファンチョン、サムサンドン、旺載峰、沙里院等、6ヶ所に分散貯蔵されていると知られている。
また、将来の化学戦に備え、総参謀部傘下に化学支援部隊と2個化学連隊を置いており、除毒車1,000余台、探知車500余台等の装備を備え、年間百回以上の化学戦訓練を実施している。現在、北朝鮮が保有している5千tの生化学兵器は、ロシア(4万t)、米国(3万t)に引き続き、3位の水準と評価される。
北朝鮮は、戦時、前後方地域に対して差別的な化学兵器運用概念を適用するものと見られる。前方地域において、化学兵器は、防御陣地早期突破を主目的に使用され、砲兵陣地、式通信施設、ミサイル基地、主補給路に使用されるが、後方では、致命的な人体損傷を誘発する持続性作用剤が無差別に撒布される可能性があり、有事の際に与えられる被害も夥しいものと見られる。
後方地域に対する化学兵器撒布手段としては、航空機、地対地誘導弾、長距離砲等、空中武器体系が主として運用されるであろう。
その内、特に航空機には、夥しい量の化学兵器を搭載でき、数機だけでも浸透に成功すれば、都市全体を麻痺させられるものと見られる。北朝鮮は、MiG-23/29等の最新鋭機種を含む戦闘機840余機、支援機510余機等、計1,640余機の航空機を保有している。
北朝鮮は、1995年10月、多数の航空機を再配置させ、100余機の戦術機を非武装地帯に近い3ヶ所の前方予備基地に前進配置したことがある。この内、IL-28爆撃機20余機は、苔灘に前進配置されて、ソウル到達時間が以前の30分から10分に短縮され、MIG-17 80余機をヌチョン里とクユル里に前進配置させることによって、6分あればソウル攻撃が可能となった。
航空機より大きな脅威に台頭したのは、地対地ミサイルによる化学兵器攻撃である。周知の通り、北朝鮮は、FROG-5/7、SCUD-B/C、ノドン1/2号、テポドン1/2号等、多様な中距離弾道ミサイルを保有するか、開発中である。FROG7の場合、450kgの化学物質を65kmの距離まで投下することができ、休戦線近接地域からの攻撃時、首都圏及び春川、束草の線まで脅威対象に含まれる。SCUDとノドン1/2号等は、射距離が500kmから2,000kmに達し、陣地変動なくとも韓国全域、甚だしくは東京と北京までも奇襲攻撃することができる。
これらのミサイルの弾頭重量は、1tに肉薄し、致命的な化学兵器を搭載する場合、その脅威は、核兵器に匹敵する程度に大きなものと予想される。
戦争準備は、常に最悪の場合に備える方向で樹立しなければならない。最近帰順した黄長Yの証言によれば、北朝鮮は、夥しい量の化学兵器と共に、核兵器も保有しているという。長期間の戦争を遂行する経済的余力がない北朝鮮は、有事の際、核兵器による1次攻撃を実施した後、2、3次攻撃を連続的に実施し、戦争を一気に終結させるいわゆる「One Blow One Stop」戦術を指導することができる。
恐るべき威力を持つ核と化学兵器が韓国全域に連続的に投下される場合、民心の急激な瓦解は勿論、軍の戦争遂行意思すら一時的に喪失するものと見られる。北朝鮮の戦略目標達成を拒否するためには、彼らの先制攻撃を装軌に無力化できる方策を研究しなければならない。
戦術としては、深い縦深の主要目標に対する北朝鮮の化学兵器攻撃は、主として航空機、誘導弾等、空中浸透手段を通して遂行される。従って、化生放作戦と空中防御能力は、不可分の関係にあると言える。
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最終更新日:2003/05/04
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